長い航海を経て辿り着いた地球。そこは無数の光に覆われたディストピアであった。航海日誌より
そんな言葉が似合う光景。夜の森人知れず光るヒメボタル。私は無類の映画好きだが、映画「アバター」に登場したシーンの中で夜の森の中を主人公がゆく光景が好きだ。闇の中で光るジャングル。植物や虫が様々な色で光り輝いている。そんな光景と被るのがこの森だ。あいにく光る植物はここには見当たらないが、無数のヒメボタルが乱舞する。
約20年ほど、この森を観てきた。長い月日の中で朽ちるものもある。やがてそれは土へと還る。倒木もそのひとつ。このポイントに木が倒れてから5年以上が経過している。毎年訪れる度に表情を変えていく。月日の流れ。気がつけば、朽ちて生まれた木の中の空洞はカニの住処になっているようだ。この光景、あと何年観られるだろう。
この20年、数々の森の変化を目にしてきた。このポイントを含め定点撮影を行っている。出現しては姿を消していく。今ではもう撮れなくなった場所が何カ所もある。自分もあと何年ここで撮影をしてるのだろう。倒木のようにいつかは倒れ、そしてこの世を去る。昔はそんなことは考えたこともなかったが、歳を重ねていくうち避けられぬ「死」を意識するようになっている。
ヒメボタルの寿命は1年と言われている。光で交信し子孫を残し命尽き果てる。儚き命。寿命1年のうち殆どを土の中で過ごし、土から出た数日間で交尾をし命を繋ぐ。この森でそんな命のドラマが始まったのはいつからだろう。数百年?数千年?いや、もしかしたら数億年。人類が現れる原始以前からかもしれない。これまでずっと続いてきた命のリレー。後世にもずっと残ることを切に願う。
本日のまとめ・・・命の光は続く
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