お堂の裏斜面に舞うヒメボタルの図
山奥の奥の奥に鎮座するお堂。その裏手にヒメボタルが飛んでくれた。ここを飛ぶかどうか保証はなかったけど、やってみるもんだね。
姫様に感謝!
シダの向こうでヒメボタルが行き交う。
ヒメボタルに何を絡ませられるか?
それを模索するのは楽しい。
今回はシダにピントを合わせて3dimention撮影。そのうちの1台のカットがこちら。
玉ボケが綺麗でクセのある出方になるようにレンズチョイスしてある。
こんな光遊びが大好きだ。
今回は成功したが、必ず光がフレームインする保証はない。
一か八かのバクチ写真。
それもまた楽しい。
自然への感謝のお話。
遠征二日目。
昨日は午後から土砂降り。しかも災害級の豪雨。車内で雨が上がるのをひたすら待つ。天気予報は無情にも雨は継続して降り、上がるのは翌日3時。って、撮影無理やんか。
と、それで帰るのは素人。予報は無理と出ていても、上がるのを信じて待つのが俺。
5時、6時、7時と雨脚は変わらず。
ところが7時半になって、状況が一変し、雨が小降りに。
もう一度、天気予報を確認すると、8時に雨上がるとな。
慌ててカメラをセッティング。合計4台のカメラを持参していたが、万が一の天候の急変に備えて、2台に絞って一箇所にまとめてセット。
7時45分に茂みの奥からゲンジボタルが発光を始めた。
それに合わせてシャッターを切り始めた。
その頃には雨はすっかり上がっていた。
ホタルの数が徐々に増えていく。また動きも活発に。
絶好調!
この日の川のせせらぎは雨で水かさが増して轟々という音。時々川床の下で大きな石がボクンボクンと鈍く響く。川の音とカジカの鳴き声で他の音は遮られるほどに賑やかだ。
そんな中で撮影を続け、夜はどっぷりと更けて、時間はあっという間に10時半。
その頃になると、ホタルの光が弱くなり、動きも鈍くなってきたので、撮影を終了した。
土砂降りからの大逆転劇。
撤収を終えて、最後に周囲に光るゲンジボタルに「ありがとう」と告げ、天を仰いで、「ありがとう」と感謝の意を伝えた。
雨が上がったのは決して偶然ではない。私のために雨が避けてくれたのだ。
こういう事は一度や二度ではなく私にはよく起こる。その度に自然に対して感謝を伝える。そうすると、また次の時に願いをきいてくれる。不思議なことだが事実そうなのだ。
遠征で二夜撮影し、夜中に帰路についた。旅は家に辿り着くまで。油断めさるな。撮影地は僻地の僻地。山の奥の奥。前日に熊と遭遇したように野生の王国である。帰路には山道を闊歩する鹿がウロウロと歩いているので気をつけて運転しないと危ない。
山道を抜けた頃に、天気はまた元の土砂降りに変わった。
まるで、私待ってくれたかのように。
夜中に自宅に無事到着。旅が終わった。
そして今日は朝から雨。恵みの雨。おかげで今日は心置きなく休養出来る。撮影に出ることなく疲れた身体を癒やすとしよう。
ヒメボタルは未だ撮影継続中なれど、気分転換にゲンジボタルを撮影しに遠征に出た。
自宅を離れ、高速にのっておりて、山奥の奥へ。
車幅ギリギリの農道を走っていた時に目の前に現れた光景・・・
なんと、クマと遭遇。
今まで実際に遭ったのはアラスカ。日本では未だ。
北海道に探しに行ったことはあるが出会えなかった。
それが突然、目の前に。まさかまさか。
クマは川に入って水浴びをしている。昨日は暑かったからだろう。
ブレーキをゆっくりかけて、クマを目で追った。
写真を撮りたいところだったが、水浴びをして火照りがおさまったのか、そそくさと森の中へと消えていった。一瞬の出来事であったが、しっかり網膜シャッターに焼きつけた。
そこから約1キロ先がホタルの撮影地点である。現場に到着し、カメラをセッティングしながら、また目の前にクマが現れないかと期待したが、残念ながら登場せず。
気持ちを切り替えてゲンジボタルの撮影。川のせせらぎとカジカが泣く声と合わさって、心地よい。空には三日月が優しく灯り、雲の隙間から星の瞬きが時々顔を出す。
夜も10時を過ぎるとホタルの発光が大人しくなり始めたので撮影を終了した。そして山奥の中で一人車中泊。車の中で寝床を整えてると時折ホタルの光がウインドウから見える。ホタルの光に囲まれながら、眠りについた。
一昨日の夜
一昨日夜は別の場所にもカメラを仕掛けていた。こちらも読んだ通り沢山のヒメボタルが舞ってくれた。これにはこだわりのレンズを使っている。玉ボケが柔らかくてフンワリ良い感じ。
昨夜は自宅休養。連日連夜の撮影につき、いつも寝るのが深夜になってしまうが、早く寝た。爆眠した。ちょっとは疲れがとれた。さて、今日はパッとしない天気。どうしよう?
昨夜見た光景。
いつもの森でいつものようにセッティング。夜を待ちヒメボタルの撮影に臨む。カメラの数は4台。そのうちの一台の後に張り付き、発光を待つ。宵の口に、一番目のヒメボタルが発光を始めた。腰掛けた私のまさにすぐ隣で。手を伸ばせば触れるくらいの距離。
森の向こうを眺めていると、隣の発光を繰り返す姫が、よじよじと茂みから這い出て、私がセットした三脚に登ってきた。とても微笑ましい光景。前を見て撮影しないといけないので、この子が気になる。そして三脚の雲台まで姫が到達。
それで終わると思いきやカメラまで登ってきた。カメラのあちこちを這うヒメボタル。そのうちにカメラの軍艦部までやってきてピカピカと光っている。可愛い。姫萌えである。目の前の撮影は二の次にして、この子を目で追った。
8時10分過ぎて、飽きたのか姫が下に降りた。その後もよじよじと地面をゆっくりと這っている。踏まないように細心の注意を払って、前方に広がるヒメボタルの舞いを撮影に臨んだ。これからが本番。正気を取り戻して撮影に専念。
その後、気がついた頃にはもうその姫はいなくなっていた。
ずっとしばらく姫と過ごした時間。なんか、幸せ。
また、この日には1年ぶりに森で姫仲間と出会った。久々の再会。お話するも、連日誰とも喋らない毎日を過ごしてるので、呂律が回らない。滑舌が悪い。たまには人間の言葉を発しないと駄目だなと思った。
この日もしっかり写真が撮れて大満足。ただ、心なしか数が減ってきている。また光の強さも弱い。終盤に見受けられる傾向。私がホームグランドにしてる森。通称「加藤の森」、この日を持って終了とすることにした。また来年のお楽しみ。
とりあえず連日連夜森に出勤していたので疲労蓄積。今日は休息日にする。お疲れ様、自分!
また、ここに撮りに来た。
毎年ヒメボタルを撮影してると、定番の場所というのがあって、いつも撮りたくなる。ここもそんな場所のひとつである。定点撮影。もう何年もここで撮っている。
この場所は数々の写真誌に掲載された。今現在は雑誌のお仕事はお休み中。そのうちにいずれと考えてたら、色んな雑誌が休刊、廃刊。もう雑誌はオワコン?なのか。
まあ仕事のことは考えていない。ヒメボタルを撮ってる期間は基本的に仕事をしない。平たく言えば無職である。収入がないので日々質素倹約。食事は1日1食で済ませる。
撮影の時は現実の事は考えない。現実逃避。それがヒメボタルを撮るコツである。
森の木陰でどんじゃらほい。
燦燦手拍子足拍子はしていない。がジタバタした。というのも森出勤から帰宅し、カメラバッグを開けたら、そこにいらしたのは百の足を持つという大きなムカデ。キャーっ。私は貴婦人のように気を失った。いや、失いそうになったが、ここは冷静になってムカデを外に出さねばならない。そっと袋に入れようとしたら逃げた。私の脱ぎ散らかした服の中に。ヤバイ。逃げられる。服を1枚1枚チェックする。そしたら発見。服からこぼれ出ぬように、そーっとムカデが潜む服を玄関を開け、外に。服の奥に潜っていたムカデを道路に放つ。さようならムカデ君。君とはもう会いたくないぞ。
まあ、森の中で撮影してるので、こんなのはよくあることだ。昨年は毛虫だった。まだ蛭は連れて帰ったことはないが、そのうちやらかすであろうよ。
尚、今回の作品はムカデとは一切の関連がない。森の奥から森の抜けた方向にカメラをセットして姫を待ち撮影した。幸い下草の周りに沢山のヒメボタルが舞ってくれた。
森の中のネジネジの木。
ずっと前から気になっていたネジネジの木。普通に生えていた木に蔓が巻き付きグルグルと締め上げていったのであろう。おかげで興味深い造形となった。
数年前に、この木を絡めてヒメボタルを撮りたかったのだけれど、その時はここにヒメボタルが舞うことなく撃沈。撮ったのは真っ暗な景色のみ。なので、いつかリベンジしたかった。今回ようやく撮影成功。感慨深い。
シダとトキワツユクサの周りにヒメボタルが飛んだ。
ヒメボタルを撮っていると、どうしても似たような写真を大量生産しがちだが、そこをちょいと趣向を変えて撮ってみる。これも、そんな作品だ。
ヒメボタルとシダの相性は良い。シダがある周りにはヒメボタルが飛んでくれやすい。トキワツユクサはと言うと、実はあまり相性が良くない。大抵は通過。とまりづらいのかね?
うん、いい形。
ヒメボタルを撮影していると、ここに飛んでほしいなとか、こんなふうに光ったらなとか、頭の中で色々と理想な形を想像する。でも、なかなか思い通りにならない事が多い。
今回はそんな中で理想のラインに巡り合わせてもらった。これこれ。いいカーブを描いている。しかも編集無し。長秒一発撮り。
ありがとう、ヒメボタル。ヒメボタルからのギフトに感謝!
キノコにヒメボタルの光が映ってる。
昨日はザーザー降りの雨でした。森に出勤するかどうか迷ったけど、予報では夜までには雨が上がるっぽかったので出動。
森に到着時はまだ雨。雨の中でアングルを探る。そしてセッティング。三脚にカメラを固定し終えて、椅子に腰掛けてボーッとカメラの先を眺める。今日も光ってくれるかな。
すると、小さな黒い影が50Mくらい先を横切った。シルエットからすると、イタチかリスかテンか?あっけにとられていると、また二匹目。今度のはちょっと小さかったかも。か、可愛い。小動物の親子っぽい。そして、これで終わらず、三匹目。とろくさいっぽさが残る子供だ。こいつの仕草がまた可愛くて萌えた。あっという間のことで口をぽかんとして一部始終を目に焼き付けた。あいにくシャッターを切れなかったのは残念だけど、仕方ない。可愛いかったから許してもらおう。
そんなドラマのあと、日が暮れて夜へ突入。ポツポツと光が点り始め、カメラのシャッターを切っていく。この日のカメラは4台。そのうちの1台は雨が多い時期にしか現れないキノコに向けて撮影をしていた。一か八かの撮影。キノコの背景にヒメボタルが飛んでくれれば成功となる撮影。でも、なかなか前を飛んでくれない。どうなってるかが気になるもシャッターをひたすら切り続ける。
自宅に戻り撮影したカットを1枚1枚じっくりチェックする。ガーン。キノコに向けたカメラには1枚もヒメボタルが撮れていない。まあ一か八かだったのでハズレだっただけのこと。と半ば諦めていたのだけれど、その中の1枚に目が止まった。にゃんと、雨で濡れたキノコのフォルムにヒメボタルの光が映り込んでいた。おおっ、一同から歓声が上がる(俺一人だけど)。
今まで、こんなの撮ったことないカットだったので、一人興奮のるつぼに入った。また、真っ暗な夜なのにキノコがぼーっと明るく写っていたのも興味深い。シイノトモシビダケとか光るキノコは色々あるけど、ノーマルキノコも光るんだね。
そんなこんなで昨夜は有意義な夜でありました。
木と木の間の空間に吸い込まれた。
ずっと森の奥へと続く空間。その空間を行ったり来たりしながらヒメボタルが舞う。そんな光景を眺めながら撮影を続けた。
昨夜は雨につき森への出勤を断念した。そして今朝も雨。ずっと雨が降っている。ヒメボタルの生育には多少の湿り気が必要なので雨は大事。だけど、かなり酷い降り方だな。
川が流れる谷に向けてヒメボタルを撮った。
昨日のブログにも書いたけど、ヒメボタルは陸棲のホタルなので、川がない場所でも発光する。だけど、適度な湿度も必要なのか川のあたりはヒメボタルで混雑している。
日々、森出勤。私の仕事場であり休息場。毎日撮っても撮っても飽きない。写真を撮ってる間は暗闇に目を向けて、光るヒメボタルを眺める。
躍動感あるヒメボタルの光
森が段々とにぎやかになる。出始めの頃は大人しい光なんだけど、日が経つにつれて活性化していく。そんな光が大きくカーブを描いたりすると、森の風景がまた違ったように見えてくる。
ヒメボタルは陸棲のホタルなので川が無い場所でも光るのだけれど、この日は川を少し入れて撮ってみた。水が入るのもまたいいものだ。
今シーズン初のヒメボタル。
出始めは大人しく数匹が光るの図。
また姫仙人こと加藤文雄がヒメボタルを撮る季節到来。森への出勤が始まる。ここ何年か悩まされてるのが毛虫。黄色と黒のグロテスクな毛虫。森で撮影してると上からポトンと音がする。毛虫が降ってくるのである。どこに降るかは運次第。確率は高い。
首筋がモゾモゾしたので手をやると異物感。それを手で掴む。ムニョーン。グミのような感触。やべ、毛虫だ。上着を脱いで、ムニョーンを取り除き、また撮影に戻る。嗚呼、気色悪い。
その後、撮影中に静寂の森のあちこちでポトポト音。ただただ耐える、また身体に落ちてこないように祈りながら落ち着かない撮影を続ける姫仙人であった。